第224回東北地方会
◆2021年9月18日(土) ◆会長:福島県立医科大学 右田 清志 ◆会場:web開催
- 演題番号 2
- 演者:本田 亮平 / 指導医:半田 智之
栗原市立栗原中央病院内科
ウレアーゼ産生菌による尿路感染症で意識障害を呈した1例 - 演題番号 3
- 演者:齋藤 賢司 / 指導医:天目 純平
福島県立医科大学医学部リウマチ膠原病内科学講座
重症低血糖,ネフローゼ症候群を呈しマルチターゲット療法が奏効したインスリン受容体異常症B型合併ループス腎炎の1例 - 演題番号 5
- 演者:二階 雪野 / 指導医:山居 聖典
大館市立総合病院消化器血液腫瘍内科
剖検が死因究明につながった巨細胞性心筋炎の1例 - 演題番号 10
- 演者:吉田 聖宏 / 指導医:中道 崇
石巻赤十字病院腎臓内科
COVID-19ワクチン接種後に発症した全身性エリテマトーデス・ループス腎炎の1例
受賞の感想
栗原市立栗原中央病院内科 本田 亮平
この度は初期研修医プレナリーセッションにおいて若手奨励賞をいただき、大変光栄です。
半田智之先生をはじめ、ご指導賜りました栗原中央病院内科の諸先生方にこの場を借りて御礼申し上げます。
意識障害は普段の救急外来においても頻繁に遭遇する症候です。通常AIUEOTIPSに則って鑑別を行いますが今回高アンモニア血症となる機序において陥りやすいピットホールを経験しましたので発表させていただきました。この意識障害は膀胱内の徐圧や抗菌薬投与で改善することが多いため、尿路感染症による高アンモニア血症と診断されずとも通常治療で改善した症例もあると推測されます。しかし本症候を診断し得た場合、意識状態改善後に間欠的自己導尿等を導入することで定期的な膀胱内徐圧が行われ再発の防止に大きく貢献すると考えられます。
単純な尿路感染症による意識障害だけでなくウレアーゼ産生菌が関与する病態が存在するということを頭の片隅におくことでその後の患者の予後を大きく改善することができるため今回この場をお借りして発表、共有する機会をいただいたこと、またそれに留まらず名誉ある賞まで賜ったこと心より御礼申し上げます。
今後とも学習する機会を逃さぬようより一層日々の診療に精進して参りたいと思いますのでご指導、ご鞭撻のほどどうぞよろしくお願い申し上げます。
この度は本当にありがとうございました。
福島県立医科大学医学部リウマチ膠原病内科学講座 齋藤 賢司
この度は日本内科学会東北地方会プレナリーセッションでの発表の機会を頂き、また若手奨励賞に選出して頂き誠にありがとうございます。ご指導くださいました天目純平先生を初めとする福島県立医科大学リウマチ膠原病内科の先生方に深く御礼申し上げます。
今回発表させていただいた症例は重症低血糖、ネフローゼ症候群を呈したインスリン受容体異常症B型(TBIR)とループス腎炎を合併した一例です。TBIRは稀な疾患であり、有効な治療法は未だ確立しておりません。本症例では、ループス腎炎に有効性が報告されている、ミコフェノール酸モフェチル、タクロリムス、ステロイドによるマルチターゲット療法を行い、ループス腎炎・TBIRの病態に改善を認めた世界初の症例であり、TBIR(特にループス腎炎合併例)に対する治療選択肢としてのマルチターゲット療法の可能性を示唆する貴重な症例になります。
今回の症例を通して、全身の臓器に異常を呈するリウマチ膠原病性疾患診療の難しさ、奥深さを学ばせていただきました。今回の受賞を励みに今後も日々研鑽を積んでいく所存です。今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
大館市立総合病院消化器血液腫瘍内科 二階 雪野
このたびは日本内科学会東北地方会で発表の機会をいただき、また若手奨励賞に選出していただき大変光栄に思います。発表準備に際し、熱心なご指導を賜りました山居聖典先生をはじめとする大館市立総合病院の先生方、弘前大学分子病態病理学講座の先生方にはこの場をお借りして厚く御礼申し上げます。
今回発表させていただいたのは剖検が死因究明につながった巨細胞性心筋炎の症例です。剖検の結果が出るまで、巨細胞性心筋炎が背景にあったとは全く予想もしていませんでした。本症例のように突然心肺停止をきたした症例の中には、直接組織を調べてみないと死因が明らかにならない場合も多くあるのではないかと思い、剖検の重要性を実感しました。
初めての学会発表で非常に緊張しておりましたが、一つの症例に対して深く勉強し病態を考察することができ、素晴らしい経験となりました。今回の経験を糧にさらなる研鑽を積んでまいりますので、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
石巻赤十字病院腎臓内科 吉田 聖宏
この度は日本内科学会東北地方会で発表の機会をいただき、また若手奨励賞に選出していただき大変光栄に思います。
今回はCOVID-19ワクチン接種後に発症した全身性エリテマトーデス・ループスの1例を報告させていただきましたが、類似の症例がまだ少ないこともあり、発表の終着点をどうするか非常に悩みました。
お忙しい中、御指導いただいた指導医の中道崇先生をはじめ、腎臓内科の先生方にこの場をお借りして深く御礼申し上げます。今回の受賞を励みに今後もさらなる研鑽を重ねてまいりますので、御指導のほど何卒よろしくお願い申し上げます。